タイトル
著者
出版社 形態 発表年(初出)
新平家物語
(全16巻)

吉川英治
講談社 文庫 1950〜57
  1972年NHK大河ドラマ化
国民的作家・吉川英治氏が描き上げた源平一大絵巻。源氏、平氏、数多の人々のドラマをひとつの流れに集結させた壮大な時代ロマンです。しっとりと叙情あふれる筆致のためか殺伐とした乱世が舞台でありながら読みながらせつなくも優しい気持になれます。どちらかというと平家寄りの視点で、清盛の人物像も深く掘り下げられています。義経は純粋で優しくてちょっと色黒のキュートなおチビちゃん。物語後半の主役であり、作者の愛情がもっとも注がれている人物でもあります。反面、物語序盤はそれなりにフォローもされていた頼朝がどんどん冷たい救いようのない人間になってゆく…。
★★★★
  
平泉落日

小野寺公二
光文社 文庫 1968
  ※光文社時代小説文庫として1992年に再版
奥州一帯に強大な勢力と文化を誇った藤原秀衝。頼朝に追われた義経を匿ったため、鎌倉幕府の追及厳しく、屈服か、決戦か。秀衝の死後、次代を担うべき嫡子泰衝と、国衝・忠衝ら一門は足なみも揃わぬまま、怒涛のごとき幕府軍を迎え、熾烈な戦いを繰り広げる。―独自の文化を築いた平泉のがわから初めて書かれた藤原氏滅亡の謎!’93年下期NHK大河ドラマの世界。
ごめんなさい未読…
  
子午線の祀り

木下順二
河出書房 文庫 1979
  壇ノ浦合戦に臨む平知盛の心理をメインに描いた戯曲。
ごめんなさい未読…
  
平泉最後の日
〜義経の自害〜

安部宗男
宝文社 ソフトカバー 1990
義経をめぐる平泉の興亡の物語。
ごめんなさい未読…
怨念の源平興亡
〜小説日本通史
<鎌倉開幕>〜

邦光史郎
祥伝社 文庫 1994
  楽しみながら身につく、国民の歴史/なぜ平清盛は絢爛に生き、醜悪に死したか?
三百年の間、軍隊を持たなかった平安時代。だが、平安とは名ばかりで、海賊や盗賊の横行によって王朝は衰退の一途を辿っていた。保元元年七月、戦乱の火の手が上がった。源氏は一族の命運をこの戦に賭けたが、続く平治の乱に敗れ壊滅状態に陥った。栄華を極める平家をよそに、二十年の雌伏の末に再開される、儚くも華麗な源平合戦絵巻の裏面史を描く!

ごめんなさい未読…
  
炎立つ
(第5巻)

高橋克彦
講談社 文庫 1994
  1993年NHK大河ドラマ化
朝廷に背き、蝦夷の側に身を投じて戦った父藤原経清、叔父平永衝の名を継いだ清衝は源義家の力を借りて乱を治め、藤原に姓を改めて平泉に黄金の都を築いた。堂塔を建て勅使を迎えて栄華を誇る孫の秀衝の許に源氏との宿縁が三たび影を落とす。壮大なスケールで描く、傑作歴史小説ついに完結!
義経が出てくるのは第5巻のみ。通常大バカモノとされがちな四代目泰衝を、実は思慮深い高潔な人物として捉え直してあります。でも、悪いけど私はやっぱり実際の彼はおバカというか凡庸というか、良くも悪くもふつうの人だったと思う。
★★
  
平家物語
(新書版全6巻)
(文庫版全3巻)

森村誠一
小学館 新書・文庫 1994〜96
  ノンストップ時代ハードアクションの最高傑作・決定版
吉川栄治「新平家」が女性的であるならば、こちらはダイナミックな男性的歴史小説。ワクワクしながらグイグイ読めます。各キャラクター皆かっこいいですが、とりわけ義経は強く優しく男前、そのうえとっても賢いスーパーヒーロー。それと対をなすように、頼朝は一貫してヒクツでイジワルなダメ兄貴。そんな彼も、最後、権力の頂点にたったひとり立った時、やっとおのれの孤独と義経のありがたさを遅まきながら知ることになる。あわれです。
★★★★
 
夢熊野

紀和鏡
集英社 ハードカバー 2002
  熊野を照らす日輪のように輝き続けた「丹鶴姫」 多くの宿命に翻弄されたその謎の生涯。源平の時代に光をあてる書き下ろし歴史長編。
ごめんなさい未読…  
平家
(上・中・下)

池宮彰一郎
角川書店 ハードカバー・文庫 2002〜03
  巨悪 平清盛こそ救国の英雄  強固な藤原官僚体制に敢然と挑み雄大な国家構想の実現を図る改革者 池宮史観がまったく新しい清盛像を刻む渾身の大作
日本経済新聞に連載されていた源平争乱時代ロマン。
ごめんなさい未読…
  
宮尾本平家物語
(全4巻)

宮尾登美子
朝日新聞社 ハードカバー 1999〜2003
  2005年NHK大河ドラマ「義経」原作
女性の視点から描き出された、はんなりと格調高い源平歴史絵巻。名もなき数多の女性たちが宮尾氏の手により名を与えられ命を吹き込まれ、生き生きと活躍しています。でも私は女たちの湿っぽいドラマより男たちの骨太な生きざまを見たいのでイマイチ興味がわかず、はしょり読みしかしてません。すみません。あくまでも平家がメインなので義経はチョイとしか出てきませんが純粋でさわやかなイイヤツです。権力抗争の只中にありながら各キャラクターにあまりどす黒さが感じられず、軍記物というより王朝文学の風合いが漂う雅な『平家物語』。
★★
  
小説メニューへ